5.6 15:00

明治安田J1 第12節 vs. 名古屋グランパス
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
3
名古屋グランパス 名古屋
1
前半
2
1
後半
1
  • 前半2分
    パトリック
  • 前半18分
    稲垣
  • 後半39分
    オウンゴール

試合の見どころ

 一つの踏ん張りどころだ。前節・新潟戦は、前半に相手が退場者を出し、数的優位の中で先制した広島だったが、後半アディショナルタイムに追い付かれる、まさかのドロー。これでリーグ戦では4試合連続の引き分けとなり、勝ち切れないゲームが続いている。いまだJ1では唯一の無敗で、首位・町田とは勝点差3の4位と上位を維持できているだけに、そろそろ“引き分け”の殻を破り、上昇気流に乗りたいところとなる。
 もちろん、今節も難しいチームとの戦いだ。「やりづらい相手なのは間違いない」とミヒャエル・スキッベ監督も警戒するのは、就任3年目を迎えた長谷川健太監督率いる名古屋。今季は開幕3連敗スタートと出だしこそ躓いたものの、第4節からの6試合では3連勝を含む5勝1分と立て直し、今では8位へ浮上している。現在は再び2連敗中だが、その相手は浦和と神戸という強豪との対決であり、内容でも決して劣っていたわけではない。「昨年に引き続き、すごく良いチームだと思っている。個人の質も良いし、チームとしても調子を上げてきている。前節・神戸戦も(敗れているが)決定的なシーンはあった」(スキッベ監督)。スピードスターの永井謙佑や鋭いドリブルが武器の倍井謙、センス抜群のMF和泉竜司、快足アタッカーの中山克広、そして広島でもお馴染みの森島司など、個々の質も十分に高い。名古屋の特長である組織的な堅い守備の攻略は簡単ではないが、永井を筆頭としたスピードのあるカウンターには注意が必要となる。
 広島の勝利のポイントとしては、やはり“決定力”になるだろう。新潟戦は相手が10人となったことで逆に守備を固められてしまう難しい展開になってしまったが、そのゲームを含めて、ここまでのリーグ戦11試合で相手より少ないシュート数で終わったことは一度もない。前々節・川崎F戦(2△2)では相手の倍近い23本、その前の札幌戦(1△1)も相手の4倍となる18本も放っているほどだ。だが、勝ち切れていないのは、やはりシュート数の割に得点が取れていないから。武器であるサイド攻撃やショートカウンターからチャンスは作れているだけに、あとは指揮官が言う集中力と精度を上げて得点を重ねることができるか。リーグ戦では約1か月、勝利から遠ざかっているだけに、ホームで勝ち切る強さを見せたいところだ。

監督 試合前日コメント

──中2日の連戦となりますが、選手のコンディションは?
「プロの世界ですから、短いなどは言っていられません。回復するには十分な時間だと思っています」

──今季の名古屋の印象は?
「昨年に引き続き、すごく良いチームだと思います。個人の質も良いですし、チームとしても調子を上げてきている。前節・神戸戦も(敗れているが)決定的なシーンはありました。引き続き、やりづらい相手なのは間違いないです」

──名古屋の攻撃陣で警戒する選手はいますか?
「どのチームもそうですが、(名古屋にも)良いFWがいて、大きいDFがいる。どの選手も気を付けないといけません」

ゲームレポート

 意地を見せた紫軍団だったが、あと一歩が足りなかった。
「最初の15分は本当にまずかった」。そうミヒャエル・スキッベ監督も振り返ったように、広島の試合の入りは最悪だった。開始早々の2分、DF佐々木翔のGK大迫敬介へのバックパスから相手FWパトリックにボールを奪われると、無人のゴールに流し込まれて失点。さらにリズムに乗れない広島は、18分、またもパスミスから名古屋の攻撃を受けると、森島司のアーリークロスを稲垣祥にヘディングで合わされて一気に0-2と突き放された。
 すると、ここからようやく紫軍団が目覚めた。最終ラインを低くして堅い守備ブロックを築く名古屋相手に攻め込む時間を増やすと、反撃の狼煙を上げるゴールが生まれたのは23分だった。右サイドからの満田誠のCK、こぼれ球を越道草太が拾うと、ペナルティーエリアの外から右足を振り抜いて1点差に。加入2年目となる背番号32は、これがプロ初ゴールとなった。
 そのまま1点差で前半を終えた前半のハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は選手にプレーの指示に加え、勝利への気概を求めた。
「後半は全力で情熱を持って戦うこと! 前半の途中からはできていたぞ!」
 さらに後半開始からボランチ・松本泰志を下げて、攻撃的MFのマルコス・ジュニオールを投入。シャドーの満田をボランチに下げる定番の攻撃的システムで勝負に出た。
 その采配はいきなり当たった。48分、左サイドに流れたマルコスの逆サイドへのクロスが右ワイド・中野就斗へと渡る。ワントラップした背番号15は浮き球を左足シュートでネットを揺らし、早い時間帯で同点に追い付くことに成功した。
 その後は一進一退の攻防となった。名古屋は後半途中からスピードスターの永井謙佑を入れて攻撃を活性化させれば、広島は前半同様にボールを丁寧に繋ぎながらサイド攻撃をメインに決勝点を目指した。得点が生まれてもおかしくないチャンスを互いに作り出す中、名古屋に突き放されてしまったのは84分だった。ゴール前の混戦から広島がオウンゴールで失点。再び勝ち越しを許した紫軍団は、そのまま2-3で敗れる結果となった。
「前半の15分までを除けば、自分たちは良いサッカーをしていた」と途中から立て直した選手たちを称えたスキッベ監督だが、「チャンスの割にゴールの数が少ない」と最近の課題である“決定力不足”を悔やんだ。

監督 試合後コメント

「最初の15分は本当にまずかったと思います。そこから盛り返して、すごく良い試合ができたと思います。1失点目と3失点目は非常に奇妙な形で決められてしまい、負けてしまいました。15分から85分ぐらいまでは、自分たちが主導権を握り、ゴールを奪い、チャンスを作れていました。ただ、前節と似たような感じがあったと思います。チャンスの割にゴールの数が少ない。越道(草太)と中野(就斗)のゴールを見れば分かると思いますが、シュートというのは、しっかりと当たれば、枠に飛べば、入る。それ以外のシュートは正確性が足りなかったり、スピードが足りなかったり、コースが甘かったところがあったと思います。本来であれば、マルコス(・ジュニオール)も良いシュートを打てますが、今日はGKの手に収まってしまった。それでも、前半の15分までを除けば、自分たちは良いサッカーをしたと思っています。名古屋に対して、すごくプレッシャーをかけることができました。
 今は大橋(祐紀)や川村(拓夢)という選手を欠いてしまっていますが、昨季のように主力を欠いてしまうと我々は上に行くだけの力がないのかなと思います」

──越道草太選手のケガについて、現状で分かっている範囲で教えてもらえますか?
「今のところ、それほど酷くないという見解です。前半の最初に受けたシーンで膝を打撲してしまい、プレーしているうちに固まってしまった状態でした」

──前半の15分までは確かにまずい内容でした。そうなってしまった原因はどこにあると思っていますか?
「(大迫)敬介のミスですね。そして、次の攻撃で0-2にされてしまった。ただ、その後は本当に素晴らしいサッカーをしたと思っています」

──2失点してから追い付いたのは、このチームの力だと思っています。次の鹿島戦まで1週間弱空きますが、どのようにチームを立て直していきますか?
「3失点目に関しては、私自身の選手・監督のキャリアの中でも珍しい、見たことのないような形で入ってしまった。次節に向けて1週間以上空きますが、しっかり休んでから考えたいと思います」

フォト

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