5.3 14:00

明治安田J1 第11節 vs. アルビレックス新潟
AWAYデンカビッグスワンスタジアム

試合終了

アルビレックス新潟 新潟
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半45+4分
    高木善朗
0
前半
0
1
後半
1

試合の見どころ

 停滞した流れをそろそろ吹き飛ばしたい一戦だ。打ち合いとなった前節・川崎F戦を2-2で引き分けた広島は、これでリーグ戦3試合連続のドロー。川崎F戦では3試合ぶりに複数得点を挙げられたのは収穫だが、反対に今季初の複数失点を喫するなど、なかなか勝利が遠い。ここまでリーグ戦無敗(4勝6分)を継続している中で、いかに引き分けを勝ちに持っていけるか。紫軍団の“勝負強さ”が問われている。
 4試合ぶりの勝利を目指す今節も一筋縄ではいかないチームとの対戦だ。新潟は今季ここまで3勝3分4敗の14位に位置しているが、高い組織力を備える難敵である。「豊富なバリエーションがある」とミヒャエル・スキッベ監督も語るとおり、GKを含めたポゼッションスタイルは洗練されており、機動力のある日本人を活かした前線のコンビネーションプレーも鋭い。昨季、広島がリーグ戦で唯一、2敗を喫したのが新潟であり、持ち味のプレッシングがなかなか機能しなかった相手でもある。個で試合を決められる強烈な外国籍選手がいるわけではない。だが、前線の谷口海斗や2列目の高木善朗、小見洋太など、ドリブルやショートパスを駆使して攻略してくる新潟攻撃陣は、今季も相変わらず要警戒である。
 広島のポイントは、やはりハイプレスではめ込めるかだ。相手の巧みなポゼッションに対して的を絞れずズルズルと受けに回ってしまうと、「相手のサッカーをやらせてしまった。負けるべくして負けたゲーム」(スキッベ監督)と新潟の地で0-2で敗れた昨季の二の舞になる可能性もある。今節に向けて、「相手陣内でサッカーをすることがカギになる」と指揮官も語っているとおり、新潟のパスワークに恐れることなく前線からプレッシングをかけ続けられるか。 “良い守備からの良い攻撃”が勝利への大きなポイントになりそうな一戦。広島らしいアグレッシブな戦いを体現し、敵地で何とか勝点3をもぎ取りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──今季の新潟は失点が割と多く守備に課題がありそうですが、どこを突いていきたいですか?
「そうは思わないです。相手はしっかりボールを繋ぐチームですが、ディフェンスも強いと思っています。彼らがやっているのは、しっかりボールを握ってゲームをコントロールすること。昨年の対戦では、それをやらせてしまったので、明日はやらせないように自分たちは自分たちのサッカーで、前から自由にやらせないようにしたい。そこが勝負になると思っています」

──広島はチャンスは多く作れていますが、なかなか得点が奪えていません。そこを乗り越えるために必要なことは?
「クオリティーというよりも、最後の精度、集中力になると思います。みんなできないわけではありません。そのタイミング、その時に、しっかり(精度、集中力を)出せるかどうかに懸かっています。むしろクオリティーはあるにも関わらず入っていない。最後の集中力や正確性だと思っています」

──新潟の松橋力蔵監督のサッカーは、ボールを握って、握ってという戦いです。スキッベ監督はどういうイメージを持っていますか?
「本当に良いサッカーだと思います。どちらかと言うと、スペインよりなのかなというイメージはあります。それよりも、たくさん選手が他クラブに移籍しているクラブなのに、同じように良いサッカーを続けられている。そこは本当に素晴らしい。松橋監督は本当に良い仕事をしていると思っています」

ゲームレポート

 広島にとっては、何とも悔しい結末が待っていた。
 昨年の新潟との対戦成績は2戦2敗。「完敗だった」と素直に認めるミヒャエル・スキッベ監督は、苦手としている相手に対し、「相手のサッカーをやらせずに、自分たちのサッカーを出すこと。相手陣地でアグレッシブに戦いたい」とのプランで今節の戦いに挑んだ。
 その狙いどおり、前半から試合は広島ペースで進んだ。GKを含めたポゼッションサッカーを志向する新潟に対し、前線から鋭いプレスを仕掛けて自由を与えない。相手GKがロングフィードに切り替えても広島が誇る強力3バックが次々と跳ね返して押し込むと、1トップのピエロス・ソティリウや2シャドーの加藤陸次樹、満田誠らが積極的にゴールを狙っていった。さらに33分には、中野就斗へファウルを冒した新潟の早川史哉が一発退場。数的優位となった広島は、完全にゲームの主導権を握った。
 0-0で前半を終えたハーフタイム、スキッベ監督が勝利をもぎ取るべく、選手によりパワーを求めた。
「ここまで良いサッカーができている。オレたちのテンポでボールを動かすこと。残り45分で1点を取りに行くぞ!」
 さらに後半開始から越道草太に代えて、マルコス・ジュニオールを投入。満田をボランチへ下げて、創造性あふれる10番をシャドーに入れる攻撃的采配でまずは1点を目指した。
 それでも一人少ない相手に苦戦した。相手をほぼ自陣に釘付けにするハーフコートゲームの様相で推移する中、広島は左右のサイドを使いながら徹底してクロスを送り込むが、最後の局面はなかなか崩せない。10人となって低い位置でブロックを敷く新潟に対して難しい展開となってしまったが、根気強くゴールを目指し続けた紫軍団の姿勢が実ったのは、70分だった。満田の強烈なミドルシュートで獲得した左サイドのCK、東俊希のキックに頭で合わせたのはDF荒木隼人。ケガから5試合ぶりに復帰した背番号4の今季初ゴールが決まり、ようやく広島が先制に成功した。
 だが、最後の最後でまさかの展開が待っていた。「相手に退場者が出る前から、90~100分まで自分たちがゲームを支配できていた」とスキッベ監督が話したように、得点後も攻め続けていた広島だったが、後半アディショナルタイム目安5分が間近に迫った90+4分、相手のカウンターを受けると、最後は高木善朗に決められて同点に。終了まで残り1分で追い付かれる悔しい結果となった。

監督 試合後コメント

「最後の1分で得点を奪った新潟に『1ポイント、おめでとう』と言いたいです。ただ、広島に3ポイントを持って帰れなかったのは残念に思っています。相手に退場者が出る前から、90~100分まで自分たちがゲームを支配できていたと思いますが、相手に退場者が出ることは自分たちにとって時にはプラスに左右しないことがあります。今日の新潟のように、後ろをしっかり固められた場合は、そうなってしまいます。低い位置で強固に守っていた新潟に対して、自分たちは良い形まで持って行くことができませんでした。1点リードでは足りないと今日、思い知らされたところです」

──リードしてからも相手が一人少ない状況でずっと押し込んでいました。その中で最後のカウンターの失点はもったいなかったですが、残り時間を考えてどのような試合運びをするべきでしたか?
「先ほども言ったように、今日は自分たちが100分間、試合を支配していたと思います。失点前にも新潟にはヘディングシュートやCKがありましたが、最後の最後で、一つだけチャンスがありました。ただ、退場者が出る前から、アウェイでも我々は良いパフォーマンスを見せて、良い戦いをしたと思います」

──なかなか2点目を奪うチャンスが作れませんでしたが、10人で引いた相手に対してどのような攻撃をすれば良かったでしょうか?
「いろいろあると思います。スルーパスを通す、シュートを枠に飛ばす、セットプレーから点を取る。それは言えると思います。ただ、我々はすべてを尽くしていました。クロスも多く上げていましたし、ボールを繋いでシュートまで行くシーンもたくさんありました。もちろん退場者が出たことが原因だと思いますが、あれだけ守る相手には言葉で伝えられないぐらい難しいことだったと思います」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い新潟での試合となりましたが、約1,200名もの方にお越しいただきました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。

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